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コラム

バベシア症

ノミ・ダニ予防2018.03.24

バベシア症はマダニが媒介するイヌの感染症です。

血液中の赤血球に寄生するバベシア原虫(主にBabesia gibsoni)という小さな寄生虫が、主にマダニを介して伝播し感染します。全てのマダニがこの原虫をもっているわけではないですが、香川県内のマダニは比較的多く保有していると思われます。マダニ以外にも、バベシアに感染した犬の血液を介して感染することもありますが、比較的まれです。

この原虫が感染すると血液中の赤血球を破壊して激しい貧血を起こし、突然の元気・食欲の低下などが起こります。特徴的な症状として、粘膜色の変化(歯茎や舌が白っぽくなる)や尿の変色(赤っぽい、黄色が濃い)なども見られます。

血液検査では、溶血性貧血(赤血球が壊れることによる貧血)、血小板減少、CRPという炎症マーカーの上昇がみられます。その他にも発熱、脾腫などもよくみられます。病気自体の診断は、血液の顕微鏡での観察あるいはPCR法という遺伝子検査によりバベシア虫体を確認する必要があります。

治療としては、注射あるいは内服(当院では主にジミナゼンという注射を使用)によってバベシアの駆虫をおこないます。また、状態が悪い場合にはそれに応じた対症療法も実施します。効果が得られると比較的速やかに症状は改善していくことが多いですが、完全な駆虫は難しいことが多く、生涯にわたってバベシアを保持したままとなるため様々なストレスや疾患、投薬(ステロイドなど)により症状が再発することがあります。そのリスクを減らすため、当院でも注射での駆虫後しばらく維持療法としてバベシアに効果の期待できる抗生物質の投与を1-2ヶ月程度実施しております。

この疾患の確実な予防法は、なんといってもマダニの駆除、予防です。マダニからの感染には48時間以上の吸血が必要と考えられているため、マダニ寄生の確認と除去(不適切に実施すると逆効果のため、自信がなければ動物病院にて実施したほうが良い)と定期的な駆虫薬投与によるマダニの駆除・予防をしっかりおこなうことがこの病気の予防には非常に有効です。

(写真は、赤血球内のバベシア原虫)

すこし長文になってしまいましたので、後日、上記を簡単にまとめた形でも投稿する予定です。

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